FLOATING
荻野夕奈+田中加織+チェ・ユンジョン

Floating: Yuna Ogino + Kaori Tanaka + Yoonjeong Choi


会場:HRDファインアート
会期:2017年10月21日〜12月30日(会期中金・土曜日のみオープン/その他の曜日は要アポイント)
時間:11:00〜18:00
アーティストトーク:2017年10月21日(土) 15:30〜
オープニングレセプション:2017年10月21日(土) 17:00〜
展覧会概要

HRDファインアートでは、2017年をしめくくる展覧会として10月21日からグループ展「FLOATING」を開催いたします。出品作家は日本の荻野夕奈、田中加織、そして韓国のチェ・ユンジョンの3名で、ともに80年代前半の生まれ。いずれも大きな括りでは具象絵画と呼ばれる作品の制作に取り組んでいる、同世代の女性アーティストによるグループ展となります。

荻野夕奈は1982年東京生まれで、東京藝術大学大学院修了。身近な植物や昆虫などを中心的なモチーフにしたその油彩画は、具象絵画と抽象絵画の間を揺れ動くような表現を特徴としています。油彩ならではの大胆な即興性と、つぶさな観察に基づく繊細な技巧が混在するその制作プロセスは、自らを取り巻く世界と画家自身との関係性を手探りで確かめる行為の結果としても捉えることができます。

田中加織は1982年京都生まれで、成安造形大学洋画科研究生修了。禅寺などの伝統的な日本庭園や富士山などの象徴的なフォルムを取り入れた幻想的な風景絵画を制作しています。ピンクやグリーン、イエローなど、ポップでビビッドな色調の油彩で描き出される庭園や霊山の風景は、幸福感に満ちた理想郷のようでもあり、実体のないバーチャル性に支配された現代社会の不穏さの表象のようでもあります。

チェ・ユンジョンは1983年韓国ソウル生まれ。ソウルの弘益(ホンイク)大学美術学部で絵画を専攻。チェの作品は閉ざされた室内の情景を描き出すものが多く、コラージュ的な画面構成や、メリーゴーラウンドや毛糸玉など特定のモチーフが繰り返し登場する点はシュルレアリスムの手法の援用と言えますが、抑制された色調と無機質な描写は突き放すような印象を与え、それがかえって強い感情を引き起こします。

本展では、上記3名の女性絵画作家の新作・近作を中心に展示します。絵画表現、とくに具象的絵画がいまだに多様で豊かな可能性を失っていないことを示すとともに、3名のアーティストの作品に共通する浮遊感や軽やかさ、そしてそれとともに感じられるそこはかとない不安感や緊張感を「FLOATING」という展覧会タイトルに託して、日本と韓国という隣り合う2つの国がそれぞれに抱える文化的・社会的な時代性にも目を向ける機会とすることも狙いとしています。
アーティストトーク:「10年前・現在・10年後」

3名の出品作家を迎えて、「10年前・現在・10年後」をテーマにアーティストトークを開催します(主催:鞍馬口アートインスティテュート https://www.facebook.com/Kuramaguchi.A.I/)。

作品について、アーティストとしての人生についてなど、なごやかな雰囲気で語り合う場となります。オープニングに合わせて韓国から来日するチェ・ユンジョンも参加します。

アーティストトークは10月21日(土)15:30スタート。17:00からのオープニングレセプションともに参加無料です。お誘い合わせのうえ是非ご参加ください。
展示作品・参考作品

荻野夕奈
"p130917_1" | 油彩/キャンバス | 91×91cm | 2017年

田中加織
"光月山水 No.2017.4" | 油彩/キャンバス | 60×60cm | 2017年

チェ・ユンジョン
"Between My Mind and Your Mind" | アクリル/キャンバス | 40.9×60.6cm | 2017年
展示風景
アーティストトークの様子
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